こんにちは。元訪問看護師の保健師マユです。

本日は、訪問看護について、実際どんな仕事をしているのかを説明させていただきます。 
私自身4ヶ所のステーションでの業務経験があり、実際の経験からのお話しです。

訪問看護の仕事内容とは?

訪問時間や訪問件数は?

訪問看護ステーションは、24時間体制をとっている事業所が多いのですが、基本的に通常業務は、月曜日〜金曜日の日中に集中しています。一人の訪問看護師が訪問する件数は、1日4件〜5件。1人の利用者さん宅の訪問時間は、1時間〜1時間半程度です。朝9時半から訪問が開始になると、午前中2件、午後2件訪問し16頃に訪問終了といった感じです。

看護師1人での訪問になりますが、重症者や1人では、対応仕切れない利用者さんの場合は、看護師2人での訪問もあります。

移動手段や訪問時の持ち物は?

事業所から利用者さん宅までは、車での移動が多い様ですが、自転車や徒歩といったこともあります。
訪問バックを持参し伺うわけですが、訪問バックの中には、血圧計・聴診器・体温計・パルスオキシメーター・ケアの際に利用する使い捨て手袋・ちょとした傷の処置にガーゼや消毒液などの衛生材料など常備しています。他には、ご自宅の浴室での入浴介助のため に、防水のエプロンなども携帯していきます。
 

どのようなケアを提供するの?

次に訪問先で行うケアですが、バイタルサイン測定をしながら、当日の体調前回の訪問から当日までの出来事などをご本人、ご家族から聞く事が多いです。

その後は、利用者さんそれぞれ、介護保険の利用者さんであれば、ケアプランに沿って、清潔ケア(清拭や入浴介助)やリハビリだったり、内服薬の確認排便コントロールカテーテル類(尿管や人工肛門など)の管理褥瘡などの傷の処置などが主でしょうか。その他には、人工呼吸器在宅中心静脈栄養癌性疼痛のコントロール等などの対応もあります。


また、病気や健康に対する不安や心配が強い方には、お話しすることを中心に訪問することもあります。こんな事を1時間〜1時間半でギュとまとめて行うので、“時間が足りない ”と思う事が多くありました。

訪問看護の利用料は、訪問時間(30分・1時間などの料金設 定がある)によって設定されているため、概ね時間オーバーしない様に注意は必要ですが、病状が思わしくない時などは、どうしても時間超過してしまいます。看護師としての責任や使命とサービスしての訪問看護をどう折り合いつけるか、難しいところかもしれません。
 

訪問以外の業務とは?

その日の訪問が終了すると事業所に戻り、訪問看護記録の記入や看護師間での申し送りなどがあります。

またケアマネジャーや主治医への病状報告・相談など訪問前後の朝夕は、電話などでの他事業所、他機関との連絡調整が多くあります。IT化が当然の世の中になってきてますが、訪問看護に従事する看護職の年齢層は、40代以上が多く、未だアナログ派多めです。

夜間の緊急訪問や時間外勤務はある?


そして終業となりますが、夜間の緊急当番の看護師は、緊急電話持参で自宅に戻り、緊急時随時対応となります。自宅にいながら電話が鳴れば対応、必要時緊急訪問という流れです。

厚労省社会保険審議会介護保険分科会平成29年度の資料では、緊急訪問の件数は、 全体の訪問回数の1.4%という調査結果があります。

実際には、病状の不安定な利用者さんがいると夜間毎日緊急訪問が続いたり、逆に1ヶ月以上全く緊急訪問がなかったり、数字と現場の実感は、少し違う気がします。
他には、介護保険の利用者さんであれば、サービス担当者会議に参加したり、地域ケア会議への事例の提供など、訪問以外にも地域連携、多職種協働のために、少しづつ仕事があります。退院前の話し合いで病院を訪れることもあります。


私の経験からですが、病院で働いていた時よりも、たくさんの職種の方々と一緒に仕事をしている感じがあります。場所が変わると、やはり看護師の仕事の内容や取り巻く環境も変わってきます。病院の中で働いているとなかなか想像できないことも多くある様に感じますが、少しでも訪問看護に興味を持って地域で働く看護師さんが増えるといいですね。

お読みいただきありがとうございました。

おすすめの記事